Low-Jitter SAW Oscillator


エプソンでは、高速シリアル通信分野において要求のある、「高周波対応」「低ジッタ特性」に対応した製品としてSAW発振器を商品化しています。
SAW発振器は、内蔵する共振子が100 MHzを越える基本波発振が可能で安定した発振動作が得られる 特長があります。また多彩な負荷条件や電源電圧に対応した製品となっております。

製品ラインナップ

製品名 公称周波数範囲 電源電圧 出力 サイズ[mm]
XG-1000CB 50 MHz~ 170 MHz 1.8 V, 2.5 V, 3.3 V CMOS 5×3.2×1.1t
XG-1000CA 50 MHz~ 170 MHz 1.8 V, 2.5 V, 3.3 V CMOS 7×5×1.2t
EG-2021CA 62.5 MHz~ 250 MHz 2.5 V CMOS 7×5×1.2t
EG-2001CA 106.25 MHz~ 170 MHz 3.3 V CMOS 7×5×1.2t
EG-2002CA 62.5 MHz~ 170 MHz 3.3 V LV-TTL 7×5×1.2t
EG-2121CA 53.125 MHz~ 700 MHz 2.5 V Differential LV-PECL/
LVDS/HCSL
7×5×1.2t
EG-2102CA 53.125 MHz~ 700 MHz 3.3 V Differential LV-PECL/
LVDS/HCSL
7×5×1.2t
EG-2101CA 62.5 MHz~ 99.999 MHz 2.5 V Differential LV-PECL 7×5×1.2t
EG-4101CA 100 MHz~ 625 MHz 3.3 V Differential LV-PECL/
LVDS/HCSL
7×5×1.2t
EG-4121CA 100 MHz~ 500 MHz 2.5 V Differential LV-PECL/
LVDS/HCSL
7×5×1.2t

発振器の種類とジッタ性能

FPGAの性能を左右するジッタ性能も発振器の種類により大きく変わります。
当社は、低ジッタ特性をご要求される場合には、SAW発振器を推奨しております。

振動デバイス
(振動周波数)
発振回路
(振動デバイス
の共振回路)
逓倍回路
(出力周波数を
高くする回路)
ジッタ性能
SAW発振器
SAW共振子
100 MHz~2 GHz
基本波・高周波発振(高ドライブ設計) なし
高ドライブ動作のためノイズフロアが低く、高周波まで安定な基本発振である。
水晶発振器
(基本波)
水晶振動子
5 MHz~250 MHz
基本波・高周波発振(低ドライブ設計) なし
低ドライブさせる必要がある点でSAW発振器よりノイズフロアが上がるが、水晶振動子のQ値が高く基本波発振である。
水晶発振器
(オーバトーン)
水晶振動子
50 MHz~170 MHz
オーバトーン・高周波発振(低ドライブ設計) なし
基本波を抑制させてオーバトーン発振させるため、発振安定性は上記2方式より劣り、特性バラツキが懸念される。
水晶発振器
(PLL逓倍)
水晶振動子
20 MHz~50 MHz
基本波・低周波発振(低ドライブ設計) PLL ×
PLL逓倍により大幅にノイズフロアが劣化、発振周波数による低調波も重畳してしまう。
水晶発振器
(アナログ逓倍)
水晶振動子
50 MHz~250 MHz
基本波・低周波発振(低ドライブ設計) 出力高調波成分をフィルタリング
高周波成分のC/Nとなるため、ノイズフロアが若干劣化、PLL同様に低調波の影響もある。
Si-MEMS発振器
MEMS振動子
5 MHz~50 MHz
基本波・低周波発振(温度補償回路設計) PLL ×
PLL逓倍・低調波に加え、MEMS振動子のQ値が低くジッタ劣化。

ジッタ特性

 当社、SAW発振器は、ジッタの分布(ヒストグラム)の広がりが狭く、ほぼ正規分布を示します。
 これは、DJ( Deterministic Jitter)が皆無で、RJ( Random Jitter)も非常に小さく、低ジッタ特性といえます。

ジッタ特性

位相ノイズ特性

 ジッタは時間領域での周波数揺らぎを示しますが、周波数領域で考えると周波数揺らぎとして現れ、一般に位相ノイズとして評価されます。
当社のSAW発振器は、低ジッタ特性であると同時に、低位相ノイズを実現しています。

位相ノイズ特性

BER(Bit Error Rate)に関わるジッタ性能

 FPGAなどの高速トランシーバでは、GHz帯域の信号を取り扱うため、タイミングのマージン確保が困難となり、クロックの品質BERに強く影響します。クロックタイミングの揺らぎ(ジッタ)が大きいほどBERは大きくなります。
ジッタとBERの関係はバスタブカーブで表されますが、必要なBERでアイ・オープニングが大きい(ジッタが小さい)ほどマージンが確保できます。

BER(Bit Error Rate)に関わるジッタ性能

SAW発振器ご使用上の注意

●●SAW発振器の特性確保のため、下記注意事項を守ってご使用願います。●●

■SAW共振子を内蔵しているため、過大な衝撃・振動を与えないようにして下さい。
■超音波洗浄は使用条件によりSAW共振子、およびワイヤボンディングが破壊される事もあります。
 ご使用前に必ず貴社で確認して下さい。
■組立時の衝撃力、機械、条件によってはSAW共振子が破壊される事もありますので、
 ご使用前に必ず貴社で御確認下さい。又、条件変更時にも同様の確認後、ご使用下さい。
■本発振器はC-MOS ICを用いておりますので、静電気に対しては十分注意してお取扱い願います。
■電源リップルは、ジッタ特性を劣化させる要因となります。
 発振器の電源端子(GND端子 #3ピンとVcc端子 #6ピン)のなるべく近い場所に、
 自己共振点が発振出力周波数よりも高い、0.01 μF〜0.1 μF程度のパスコンを付け、リップルを抑えて下さい。
■Vcc、GNDラインは太く配線し、インピーダンスが低くなる様にして下さい。
■表面の金属部分(金属キャップ部)は、GND端子 #3ピンと内部で電気的接続されております。
 実装後に金属キャップ部と接触すると、GNDに短絡しますので、十分注意してお取り扱い願います。
■電源の立ち上りは150 μs以上(0 V→90 %Vcc)で使用して下さい。中間電位からの電源投入や
 電源スピードが極端に速い場合、誤動作および不発振となるおそれがありますので避けて下さい。
■発振出力線は、差動インピーダンスを100 Ωで設計し、経路長を最短にして下さい。
 出力線が長くなりますと、正規の特性が確保できなくなる場合があります。
■他の信号線の誘導による誤動作を避けるため、高レベルの信号線を本発振器の近くに通さないよう
 ご配慮をお願いします。
■[周波数精度の確保] 及び [急激な温度変化等による水分結露の防止]のため、常温・常湿環境で
 保管及び使用することをお勧めします。
■OE入力端子のインピーダンスはC-MOS入力のため高く、ノイズ誘導を受けやすくなっておりますので、
 低インピーダンスで使用するか、OEを使用されない時はVccに接続して下さい。またサージ等の影響を
 緩和するため接続の際は、抵抗を挿入することをお勧めします。
■出力信号を分配して使用する場合は、LVDS信号に対応した出力分配機能付きの汎用バッファICを使用して下さい。
■デバイス表面温度は、発振器の自己発熱により、周囲温度よりも温度上昇する場合があります。
 基板上へのデバイス実装状態によって上昇温度が異なりますので、実際の実装基板上で確認の上、ご使用願います。
■リフローは2回までとして下さい。
 本製品が基板下面にある状態でリフローをする場合の本製品の落下については貴社で確認して下さい。


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