取り扱い上の注意事項

 

各製品は、個別仕様書または、カタログに規定された使用条件でご使用ください。
弊社の水晶デバイス製品は、特性を満足する様に設計・製造され、各種の信頼性試験により品質・信頼性を確認し出荷しております。 しかし、保管・実装・使用環境を適切に選択しなければ、品質・信頼性を満足することはできません。最適な状態でご使用いただく ために、以下の事項に十分注意してください。弊社は、お客様ご自身の裁量で採用したアプリケーションやご使用方法により生じた 製品の特性の劣化についていかなる責任も負いません。

共通事項

1衝撃性

水晶製品は、落下および衝撃の条件により、製品破壊や故障危険率が高くなる可能性があります。誤って机上等から落下した場合や過度の衝撃が加わった場合は、使用しないでください。

2放射線

放射線の照射により、特性の劣化が起こりますので照射は避けてください。(正常な動作を損なう恐れがあります。)

3薬品/pH

材料および容器を腐食、溶解にいたるpH値でのご使用や保管は避けてください。

4接着剤

容器材料および端子、部品、硝材、蒸着物質等が腐食するような接着剤のご使用は避けてください。(例:塩素系接着剤が振動子の金属部分に触れて腐食し、気密不良となり特性の劣化する恐れがあります。)

5ハロゲン化物

容器材料および端子、部品、硝材、蒸着物質等が腐食するような接着剤のご使用は避けてください。(例:塩素系接着剤が振動子の金属部分に触れて腐食し、気密不良となり特性の劣化する恐れがあります。)

6静電気

過大な静電気が加わると素子が破壊されることがありますので、製品取り扱いには充分な静電気対策を実施してください。包装・運搬容器は、導電性梱包・容器をご使用ください。はんだゴテや測定回路などは、高電圧リークのないものを、必ずアースに取ってご使用ください。

7設計上の注意事項

7-1機械的振動の影響

水晶製品に圧電サウンダ・圧電ブザー・スピーカーなど、周期性を伴った機械振動や衝撃が加わりますと、出力信号に周波数変動や振幅変動が発生する場合があります。この現象は、特に通信機器用途での通信品質に影響を与えます。当社水晶製品は設計に際して、このような機械的振動の影響が最小限になる配慮をしておりますが、事前に十分確認されることをお勧めします。また、より安定した動作を維持するため、下記実装設計に関するガイドラインに沿った配慮をお願いします。

7-2実装設計に関するガイドライン

(1)圧電サウンダ等の機械的振動源と水晶製品の同一基板上への実装は、できるだけ避けてください。やむをえず、同一基板上に実装する場合は、機械的振動源と水晶製品の距離を離す、クッションを活用する、基板に切り込みを入れる等、工夫をしてください。基板上を伝わる機械的振動は、基板のみの場合と基板をケース等の筺体に入れて固定した場合とでは異なります。製品の諸特性評価は、基板をケース等の筺体に入れた状態で確認することをお勧めします。

(2)基板設計におきましては、弊社推奨フットプリントを参照ください。

(3)フラックスを使用する場合は、JIS規定(JIS C 60068-2-20/IEC 60068-2-20)フラックスを基本として使用願います。

(4)実装に使用をするはんだは、JIS規定(JIS Z 3282 Pb含有率1000ppm・0.1wt%以下)鉛フリーはんだを基本として使用願います。

8製品保管上の注意事項

(1)水晶製品は、高温や低温での長期保管による周波数の変化や、高湿での長期保管によるはんだ付け性の劣化などがありますので、常温常湿の環境で保管してください。また、長期にわたる保管は避け、開封後はできるだけ早く実装してください。

常温常湿: 温度 +15℃~+35℃、湿度25%RH~85%RH

(2)内・外装箱およびリールの取り扱いは、慎重にしてください。外圧がかかるとリールおよびテープが変形する場合があります。

9実装上の注意事項

9-1はんだ耐熱性

SMD製品を除く当社水晶製品は、融点が+180℃~+200℃のはんだを用いております。パッケージが+150℃を超えますと特性の劣化または、破壊を招く場合があります。上記の条件を超える温度で実装される場合は、SMD製品をご使用ください。また、SMD製品であっても、下記条件以上の高温を加えますと、特性が劣化する場合があります。よって、下記条件を超えない領域でのご使用を推奨します。実装前および条件変更後に必ず実装条件(温度・時間)をご確認の上、使用ください。また、下記条件を超える場合は、当社営業窓口にご相談ください。

(1)SMD製品の実装条件
JEDEC J-STD-020D.01の耐熱リフロー条件への対応可否は、製品毎に判断させて頂いております。お問い合わせください。

実装条件一覧pdf

9-2自動実装による衝撃

水晶製品を自動実装する際、製品の吸着、チャッキング、基板搭載時などに過度の衝撃が加わりますと、特性の変化または劣化につながります。なるべく衝撃の小さい条件を設定してください。ご使用の前に、必ず貴社にて搭載テストを実施し、特性に影響のないことを確認してください。条件変更時にも同様にご確認ください。また、実装時及び実装後において、水晶製品が筐体や他の基板などと衝突しないようご注意ください。

9-3パッケージ形態別注意事項

(1)セラミックパッケージ製品およびSON製品(共通)
セラミックパッケージ製品およびSON製品を基板実装後、基板を曲げるなどの変形をさせますと、機械的ストレスによりはんだ付け部の剥離・水晶製品のパッケージクラック・内部素子破壊などが発生する場合があります。特に基板を子割りする場合は、なるべく水晶製品にストレスがかかりにくい基板上の製品配置と子割り方法の採用をお願いします。
(2)セラミックパッケージ製品
セラミックパッケージ製品を、ガラスエポキシ材などのセラミックスと膨張係数の異なる実装基板に実装して使用される場合、長期間過酷な温度変化をくり返すと、はんだ付け部のはんだに亀裂を生じる恐れがあります。そのような環境条件が想定される場合は、ご使用される前に、貴社にて十分ご確認ください。 実装された小型薄型製品の手直し修正などは、冶工具の選定や作業取り扱いにも十分配慮していただくようお願いします
(3)DIP製品
リードが曲がりますと、基板のホールに差し込みができなくなります。取り扱いの際、リード曲がりに気をつけてください。
(4)SOJおよびSOP製品
リードが変形するような力を加えないでください。変形により、はんだ付け時に端子浮きが発生する場合があります。特に、SOPタイプは細心の注意を払ってください。

9-4超音波洗浄/洗浄

(1)AT振動子・SAW共振子・フィルタ使用製品の超音波洗浄は可能ですが、条件により振動子特性に悪影響と、セラミックパッケージ製品内部の結線を損傷する可能性があります。ご使用される前に、必ず貴社にてご確認ください。
(2)音叉型振動子使用製品・ジャイロセンサは、超音波に弱く、水晶振動子が破壊されることがあり、保証はいたしかねます。
(3)オープンタイプ製品の洗浄は避けてください。
(4)製品に悪影響を及ぼす洗浄剤・溶剤等の使用は避けてください。
(5)フラックス残渣の吸湿や固化により、マイグレーションなど信頼性や製品特性に影響を与える場合があります。フラックスは、十分に洗浄・乾燥ください。

10取り扱い

ピンセットまたは他の硬い工具・治具などで、直接IC面に触れないで下さい。

11使用環境(温度・湿度)

使用される機器内の温度分布・季節温度変動など考慮し、定格温度範囲の環境にてご使用願います。高湿度環境にさらされる用途でご使用された場合、結露による動作不具合が懸念されます。結露防止に十分ご配慮いただくようにお願いします。

水晶振動子

1励振レベル(ドライブレベル)

過大な励振レベルが水晶振動子に印加されると特性の劣化および、破壊を招く場合がありますので、適正な励振レベルになるように回路設計をしてください。(励振レベルの項を参照)

2負性抵抗

発振回路の負性抵抗に余裕がないと発振しない場合及び発振の立ち上り時間が長くなる場合があります。発振回路の負性抵抗を十分となる回路を設計してください。(発振余裕度の項を参照)

1負荷容量

発振回路の負荷容量により、同一水晶振動子を用いても発振周波数が変化し、希望する周波数と異なる場合があります。 また、無理に周波数を合わせますと異常発振の原因となります。使用される際は、水晶振動子の負荷容量と発振回路の負荷容量を合わせてください。(負荷容量の項を参照)

水晶発振器および、リアルタイムクロックモジュール

水晶発振器および、リアルタイムクロックモジュールは総て ICを用いております。
 

1ノイズ

電源および入力端子に過大な外来雑音が印加されると、ラッチアップ現象および、スプリアス現象を引き起こし、誤動作の原因となることがあります。

2電源ラインインピーダンス

太い電源パターン、ベタアースパターン化等により電源ラインインピーダンスは極力低くしてください。

3出力負荷

出力パターンの負荷の低減や電磁波輻射の低減のため、負荷はできるだけ発振器に近づけてください。(20 mm以内を目安とする。)

4未使用の入力端子の処理

高入力インピーダンスのため、入力オープンで使用するとノイズを拾い易く端子が中間レベルとなり、消費電流の増加や誤動作の原因となります。これを防ぐため、未使用の入力端子はVCCまたはGNDに接続してください。

5熱衝撃

急激な温度変化の繰り返しは、内蔵している水晶振動子の特性の劣化及びプラスチックモールド内のワイヤー断線をまねく可能性がありますので避けてください。

6実装方向

逆向きに実装しますと、誤動作および破壊の原因となります。方向を確認した上で、実装を行ってください。

7電源投入時

中間電位からの電源投入や電源スピードが極端に速い場合、誤動作や不発振となるおそれがありますので避けてください。

水晶センサ

8センサ間干渉

水晶センサは、基板振動や電源共通インピーダンスにより干渉を受ける場合があります。

9防振

水晶センサに振動が加わる環境で動作させる場合は、防振対策をご検討ください。


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