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アウトプットイネーブル
内部の回路が動作状態のまま、出力を停止状態(Hi-Z)にする端子。RTCモジュールや水晶発振器に設けられており、システム休止状態で使うことによりシステムの低消費電力化に役立ちます。
圧電現象
水晶を代表とする結晶材料の特定の結晶軸方向に圧力を加えると、特定の軸方向に電荷が発生する現象。反対に同軸方向に荷電すると機械応力が発生する現象を逆圧電現象と言います。この性質を持った材料素子として、水晶(SiO2)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)に代表される単結晶材と、チタン酸バリウム(BaTiO3)等の多結晶材(圧電セラミックス材)があります。各材料それぞれ一長一短ありますが、振動の安定性では水晶が一番優れています。
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圧電現象 | 逆圧電現象 |
参照 : 圧電素子
圧電素子
圧電現象をもった結晶材料素子。水晶(SiO2)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)に代表される単結晶素子と、チタン酸バリウム(BaTiO3)のような多結晶セラミック素子があります。
参照 : 圧電現象
厚みすべり振動
水晶振動子の振動モードの一つで、図のように水晶板の厚み方向の上下表面がそれぞれ対向方向にすべるような振動モード。AT振動子に代表される高周波振動子に利用されます。 周波数fは、振動片の厚みTの関数になります。
基本波の場合 f = k/T (k: 定数)
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3次オーバートーン | 基本波 |
参照 : AT振動子
異常光線
複屈折結晶中で、光の速度が光の伝播方向によって異なる光線。スネルの法則に従わない。光学軸との関係で見た場合、光学軸と入射光線で作る面内(主断面)で振動する光が異常光線、これと垂直に振動する光が常光線と呼ばれる。
参照 : 常光線
位相差
互いに垂直に振動する成分の光路差(波形のズレ)を角度の単位で表したもの。(一般的に波形の山または谷のズレで見る。1波長が360°)
位相ノイズ
水晶発振回路の内部および外部環境(雑音)により発生する発振周波数近傍の不要なエネルギー放射。この数値が高いと無線信号の送受信エラーが発生します。
インバータ
入力に対してHigh/Lowが逆の信号を出力する回路素子。水晶発振回路の中に使われ、水晶を発振させます。
参照 : 水晶発振回路
エタロンフィルター
平行に置かれた2つの反射面間の多重干渉を利用した分光素子で、素子を透過後の光量が波長によりサインカーブで変動する。この傾斜部分を利用し、温度で波長をコントロールするレーザダイオード光源などに使われる。
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エージング
一般的には出荷前に製品の初期不良を取り除くために行われる作業や工程を言いますが、水晶デバイス関係では、完成直後における大きな周波数変化を取り除き、市場で安定した周波数で使用できるようにするための作業や工程を言います。
エージング量
時間の経過と共に生じる特性の変化量。通常は1年間の周波数の変化量を言います。水晶振動子では水晶片の加工工程で加えられた表面の応力歪、支持部分で発生する応力歪、さらにパッケージ内部のガスの変化等が特性変化の要因となります。フォトリソグラフィ加工の振動子は、応力歪が少ないため、エージング量は小さくなります。
エージング量の変化例
円盤状AT振動子
オーバトーン
基本波振動に対する高次(奇数倍)の振動。各振動子共基本振動の他に高次の振動モードを有しており、基本波では設計、加工が難しい高周波数を実現するためにこの高次振動が使用されます。一般的には3次(基本波の3倍)のオーバトーンが使われています。
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基本波 | 3次オーバートーン |
参照 : 厚みすべり振動
音叉型振動子
温度補償型水晶発振器
水晶振動子の温度に対する周波数の変化を補正する機能を持った水晶発振器で、TCXOはその略称。一般的には温度補償型水晶発振器には比較的に温度特性に優れるAT振動子が用いられますが、さらに高精度の周波数を得るために、温度変化分を温度センサからの信号で補正します。周波数の補正方式として、アナログ的に補正する方法とデジタル的に補正する方法があります。 エプソンは、温度補償型水晶発振器としてTGシリーズ/TCOシリーズを販売しています。
参照 : TCXO、水晶発振器周波数一覧